六甲の家

2007 竣工

2世帯住宅+アトリエ 私達の住まいと仕事場。

 

この住宅はいくつかのテーマをもって設計しています。(建築は常にいくつかのテーマをもって設計するものです。)

例えば、2世帯住宅というテーマ。いかにそれぞれの世帯が快適に住みながらも、一つ屋根の下で暮らせるか。しかもコンパクトに… 世帯が異なると価値観がことなるもので、共有する部分が多くなるほど、衝突やストレスが発生します。できることなら、二棟建てたいところですが、経済的な要因から規模を縮小する必要性が生じることが多く、予算に反比例して共有部分は多くなります。

階段や廊下といった動線の共有は比較的容易に許容できますが、風呂場や台所、その他水まわりの共有は、生活に約束事(ルール)が必要となってきます。例えば、手拭きは各世帯ごとに用意するといったように。そこで、タオルリングは各水まわりには必ず2つ用意して欲しい等、ルールを補助するための建築的な工夫がどこかに必要となってきます。

逆に、共有する部分が少ない場合、各世帯が接する場として、共有するスペースこそ、非常に大事な空間となります。

この住宅では、階段や廊下や玄関を共有しておりますが、これらの共有するスペースを中央に集約し、空間としてある程度のボリュームになるようにしております。その空間に、吹抜や窓をもうけ、光や風が入るようにしました。また、壁の一面を本棚にすることで、そのスペースが、この家のライブラリーのような空間になるようにしております。

 

その他、庇のある2階建の家の見せ方や木造の構造材の見せ方など、木造2階建ての住宅を設計する上で、必ず出会うテーマに、取り組んでおりますので、ご興味、ご関心がある方はいちど見学に来てください。

(予約制ですので、ひとまず連絡をください。)